宮古島特集
観光

宮古島ってどんな島?

宮古島のディープな部分を知ると、“新たな魅力”を発見できる!
宮古島の地域づくりコンサルを行なっている宮古島マニアの方から、宮古島観光の“ちょい足し知識”を教えていただきました!

 

宮古島の魅力を知る3つのポイント

「宮古島って、どんな島?」「(同じ離島の)石垣島と、どこが違うの?」観光客はもちろん、島に住んでいる人も、いざ答えようとすると、言葉に詰まるのではないでしょうか?

沖縄は島嶼(とうしょ)県、全部で160もの島々から成り立っており、うち有人島(人が住んでいる島)が47です。
その中でいわゆる“宮古諸島”と呼ばれるのは、宮古島(宮古本島)、池間島、大神島、来間島、伊良部島、下地島の6島と、石垣島との間にある多良間島、水納島の2島を加えた8島です。

宮古諸島は、県内でも「かなりクセが強い=個性派」と言われています。それは何故でしょう?
ここでは、宮古島をより良く理解するための(ちょっぴりディープな)ポイントを3つ、お話ししていきましょう。

 

ポイント1 大きな川や池がない!

まず、石垣島との大きな違いは「ドライブしていても、池や大きな川がない!」ことでしょう。

台風やスコールのような大雨の後は、さすがに一部の道路が冠水しますが、しばらくするとその水はどこへやら?太陽が照り風が吹けば、水たまりはたちまち消えてなくなり、アスファルトの道路も元通りに乾いてしまいます。

では水はどこに行くのでしょう?

沖縄総合事務局が公表している「全国と宮古島における水収支の比較(沖縄総合事務局宮古伊良部農業水利事業所HP2018)」というデータがあります。
わかりやすく言うと「地表に降った雨は、どこに行くのか?」調べたものです。

〇全 国
第1位=「地面を流れて川、海へ」54%
第2位=「蒸発する」36%
第3位=「地下水になる」10%

〇宮古島
第1位=「蒸発する」50%
第2位=「地下水になる」40%
第3位=「地面を流れて海へ」10%

一番の違いは、宮古島の「地下水になる」が40%もあることです。
逆に、全国では過半を占める「地面を流れて(川、)海へ」は、わずか10%しかありません。
つまり、宮古島は驚異的に“水はけが良い”島。
降った雨の多くが地下水になってしまい、地表には池も川もできないのです。

では何故そんなに水はけがよいのでしょう?

 

ポイント2 海も陸地もサンゴだらけ!

宮古島はサンゴの島といわれています。海の美しさはピカイチ!
島の周囲を取り囲むサンゴ礁がダイビングやシュノーケリングのスポットになっていて、多くの観光客を魅了しています。
では島の陸地はどうなっているのでしょう?

宮古諸島の地層は極めて単純。
人の肌のように薄い表土の下は、数メートルから数十メートルのサンゴの化石、サンゴ石灰岩層。そして一番下に水を通さない粘土層があります。

宮古島に降った雨は、地表からサンゴ石灰岩に浸透します。
サンゴの化石は多孔質、簡単に言うと細かい穴や隙間だらけなので、浸透した水をその隙間にため込みます。

そして、ためきれなくなった水は、サンゴ石灰岩層の下の粘土層に沿って地下水脈となって流れ、湧水として崖や海中から湧き出すのです。

みなさんもよくご存じのように、一般的に湧き水は透明ですよね?
宮古島の海の透明度が高い理由の一つがここにあります。

沖縄県の島々を大きく2つに分けると(もちろん一部の島はその両方の性質を持っていますが)、「高い山がある島」と「山がない平坦な島」になります。

前者の代表が石垣島や沖縄本島北部の山原と言われる地域で、主に土壌が粒子の細かい赤土です。山があるので川もある。台風などで大雨が降ると沈降するのに時間がかかる赤土がそのまま川を流れて海に流出する、いわゆる赤土問題が発生します。

石垣島や沖縄本島の海は、常にこの問題を抱えているのです。
一方、後者の代表が宮古諸島の島々です。地表に水がほとんど残らないので川がありません。
雨水は一度地面にしみこみ地下水となり、湧水として海に流れます。

宮古島の海の美しさは、海中のサンゴ礁だけでなく、陸地のサンゴ層にもあるということがおわかりいただけたでしょうか?

 

ポイント3 海の色が“宮古BLUE”と言われる理由

宮古島の海の透明度の高さについては、ポイント1,2でお話ししました。
宮古島の海の色が“宮古BLUE”と言われる理由がもう一つあります。それは“砂の白さ”です。

宮古島を代表する与那覇前浜や、伊良部島の渡口の浜は砂の白さが特に際立っていますが、これは宮古島の多くのビーチが、サンゴの砂でできていることが要因の一つです。

2枚の紙を用意し、水色の水彩絵の具を塗る場面を想像してみてください。
片方の紙は純白のコピー用紙、もう一方はベージュがかった生成りの紙。
どちらが青の発色が良いでしょうか?

後者が黄色と青でエメラルドグリーンになるのに対し、純白の紙は塗り重ねるごとに青の深みが増しコバルトブルーになっていきます。

一般に赤土の島のビーチは黄色を帯びているので、海は緑になりがちですが、宮古島は珊瑚の白い砂のおかげで、青の深みと多様性が際立っています。
これが“宮古BLUE”と言われる所以となっているのです。

 

これまで、宮古島の個性を、水と地層と海の美しさの点から話してきましたが、そこに住み暮らす人にとってはどうでしょうか?
一転して、地表に水がないことが、大変厳しい過酷な生活を強いることとなります。

雨水が地表に残らない、川も池もないということは、安定して水を確保することができないということです。
これは集落の暮らしや農業にとっては致命的な問題となります。

宮古諸島の古い集落は、湧水や方言で「カー(井戸)」という地下水を得ることができる場所に寄り添うようにして集落が形成されています。

たとえば宮古島の中心市街地のある平良は古くから人が住み着いた集落ですが、漲水御嶽周辺の崖からの湧水や、盛加井(ムイカガー)、大和井(ヤマトガー)など豊富な地下水(菊之露酒造第2工場の水源地)があります。

また、同じく歴史がある城辺の砂川・友利の集落も、天井(アマガー)をはじめとする湧水に恵まれた地区で、現在でも水を大量に必要とする宮古製糖の向上や多良川酒造が立地しています。

生活用水の確保は、かつての島の暮らしを維持する生命線でした。
朝起きて最初にしなければならない仕事は、近くの湧水やウリガー(降り井戸)への水汲みでした。一方、畑に撒く水は、今のように電動ポンプはありませんから、天水、つまり降雨に頼るしかありませんでした。

生活用水のための湧水や地下水が枯れると暮らしが立ち行かないし、雨が降らなければ作物が収穫できず、干ばつによる飢えにつながります。

島の人は、ごく自然な形で、湧水やウリガーを神の恵みとあがめて御嶽を祀り、日照りが長く続けば雨乞いの儀式を行い、神に祈りました。
宮古諸島に伝わる伝統芸能であるクイチャーは、雨乞い儀式がルーツと言われています。

約30年前に整備がスタートした地下ダムのおかげで、“水無し島”だった宮古島でも安定して水が確保できるようになり、マンゴーなども安定して生産できるようになりました。

しかし、宮古島の水で苦労した厳しい時代を乗り切るための島人同士の助け合い・思いやりの精神、結束力の強さ、他人のことを思いやる優しさなどが、現在でもしっかり引き継がれています。

宮古島観光のリピーターの中には、「今度はいつまで島にいるの?」「困ったことはないか?」「ちゃんとご飯を食べてるか?」といった、人懐っこくも優しい言葉がきっかけで島を大好きになったと話す人が多くいます。
人の優しさ、温かさが宮古島の大きな魅力のひとつでもあります。

宮古島の地層や豊かな地下水、普段の日常に同居する神への祈りや祭事行事を大切にする心、厳しい暮らしを生き抜いてきた結束力と人を思いやる優しさなど、ホテルに泊まりレンタカーで島を周るだけでは見えにくい宮古島の魅力を感じるには、体験観光やガイド付ツアーがオススメです。

島のガイドとたくさんお話してみて、そして会話の中から、そういった島の魅力を感じることができれば、あなたはすっかり宮古島のマニア。
足しげく島に通うことになるでしょう。

宮古島は5万人を超える人口があり、2015年の伊良部大橋開通、2019年の下地島空港への航空路線就航など、大変便利な島になりました。
近頃話題の新しい働き方として、島に住む、あるいは一定期間滞在し、リモートできる仕事をしたいという希望を持つ方も増えてくると考えられます。

移住や観光を考えている方は、是非、海や景観のように一目でわかる魅力とはまた違った、宮古島に残る“密かに隠れている魅力”を探してみてください。

 

———-

記事:中村良三
地域づくりコンサルタント。
6年前に宮古島へ移住し、地域づくりにつながる体験観光事業を起業。
海だけではない宮古島の魅力を伝える活動を行なっている。

 

■紹介ツアー内容
観光情報誌たのしま宮古島に掲載中の島ガイドツアー

島の案内人と話し、島の暮らしや遊びを一緒に楽しむ「島時間」体験プログラム
http://www.plannet4.co.jp/hitotokisampo/

株式会社プラネット・フォー(沖縄県知事旅行業第地域―350号)
沖縄県宮古島市平良字久貝870−1(島の駅みやこ テラス内)